ワロンのイノベーション戦略はそれぞれの競争的(優先的)分野に基づいています。その戦略は地域の経済成長に大きな影響を与える以下の7つの最先端分野です。
ワロン地域の主な目標はこれら特定された分野の世界的リーダーになること。その目標達成のため、公的機関から研究所と産業間における開かれたイノベーションを促進するプロジェクトに対し資金援助制度も設けられ、研究所、公的機関と産業は共にイノベーション・クラスターに組み込まれています。
クラスターとは公的組織、民間企業、大学や研究所のパートナーシップの集積のこと。お互いに協力し合あうことで共通分野のプロジェクトの相乗効果を高めることができるのです。
クラスターはイノベーションと競争力を測るベクトルであり、パートナー間のコラボレーションと交流を活発に促進します。
パートナーシップにより共同研究プロジェクトが創出され、それぞれのプロジェクトはその分野での世界リーダーシップへの道を開くことを共通の目標とするのです。
ワロンに拠点をもつあらゆる企業、組織はクラスターへの参加が可能であり、その利点を享受することが出来ます。
アリアン5ロケットに採用されている技術の7%はベルギー製で、このプロジェクトのための1人当たりのベルギーの出資はヨーロッパ一高いということをご存知ですか。
ワロン地域の航空宇宙関連企業はエアバス、ボーイング、ボンバルディア、アリアンスペース、NASAなど、数多くの世界をリードする会社と共に働いています。
ベルギーの宇宙関連予算はヨーロッパで5位。 大学、研究所や航空宇宙関連企業は積極的にESAとNASAのプログラムに参加しており、リエージュ・スペース・センター、アモス(AMOS)、テックスペース・エアロ(Techspace Aero)などは衛星、ミラー、ロケット、ナビゲーションシステムの製造分野において世界的リーダーとして評価されており、この産業の雇用者数は7000人で、売り上げは11億2千万ユーロにも上ります。
アリアン5ロケットに採用されている技術の7%がベルギー製で、このプロジェクトのための1人当たりのベルギーの出資はヨーロッパ一高いということをご存知ですか。
テックスペース・エアロは1949年にワロンで設立され、飛行機やロケット用エンジンのためのモジュール、設備やテストセルを開発・製造しています。
同社はエアバス、ジェネラル・エレクトリック、プラット&ホイットニーのような大手エンジン製造メーカーにパートナーとして選ばれ、多数の重要な航空宇宙プログラムに貢献しています。完全なシステムを初期の段階からデザインするという重責を担っているテックスペース・エアロ社の研究と技術力は、同社の研究チームと世界的に高評価を得ている大学や研究所とのコラボレーション・プログラムの成果により、非常に高いものとなっております。
スカイウィンの使命の1つは多種多様なミーティングを通して、メンバーである公共組織、民間企業、大学や研究所のために新しいビジネスチャンスを生み出すことです。スカイウィンは定期的に、大手企業の下請け企業と中小企業のビジネスミーティングを行っており、その効率的なネットワークの構築がワロン地域とヨーロッパの航空宇宙関連企業間の繋がりと相互的知識とを高めています。
ワロン地域では海路、河川路、鉄道路、道路、空路という5つの輸送手段が手軽に利用でき、ニーズに合った手段が選択可能。
主なヨーロッパの輸送ネットワークが交差するワロン地域は、その便利な地理的要因のためヨーロッパへのゲートウェイになっています。
欧州連合の購入力の60%がワロンから半径500キロ以内(トラックで一日もかからない距離)に集中しており、パリ、フランクフルト、ロンドン、アムステルダム、いずれもわずか3時間のでアクセス可能。
最短の輸送時間、輸送コストの削減、最適な物流管理が可能になります。
リエージュ河川港は2番に目大きい港で、1年当たり1600万トンの貨物量を扱っています。アントワープまでの輸送時間は約12時間。リエージュ港では混雑の激しい海港よりも素早く貨物を降ろすこと出来ます。年中無休体制の通関システムも整っており、ヨーロッパ諸国へのアクセスがより迅速にできます。
リエージュ空港は年中無休体制をとり、1年当たり489,582トンを取り扱っています。生鮮食品、動物などには専用設備を整備。リエージュ空港はTNT航空(TNT Airways)のハブ空港となっており、数多くの物流関連企業が集まっています。物流エリアは飛行所、鉄道、道路とつながっており、利便性の高いアクセス条件が整えられています。
ワロン地域による努力、ヨーロッパの中心という地理的優位性、空港までの距離、他の輸送設備、TNTロジスティクスとのパートナーシップの可能性、これらは投資を決定する上で大きな決め手となる重要な要因でした。私達のヨーロッパでの事業は拡大を続け、このヨーロッパ物流センターは必ず大きな役割を果たすと思います。」とジョンソン&ジョンソン医療機器・医療診断グループ会長 ガイ・ルボー医学博士は話しています。
ワロン地域物流クラスターはワロンの輸送と物流産業を国内外で促進することを目標として作られたクラスターです。コーディネーション活動、共通戦略のプランニング、人材と技術的資源を最適化することによりその目標を実現しようとしています。主な活動は、ワロンの輸送・物流の最適なロケーションの広報活動、優れた研修による資源の最適化、地域の輸送と物流会社の発展を支援することです。
ベルギーのミネラルウォーター、SPAは2008年にCERAM(ヨーロッパのミネラルウォーター研究所)によってヨーロッパのベスト・ミネラルウォーターとして選ばれました。CERAMはミネラルの安定性や製造の品質管理など、数多くの条件によって水質を評価。
アグリビジネス産業は1700の企業と2万人の直接雇用があり、地域の成長と活力の特別な源になっています。 ワロン地域の優れた農地とその環境の豊かさのため、ワロン製品は高い品質の長い伝統をもっています。その品質は大学や研究所の健康安全、品質管理、トレーサビリティーなどに関する研究によって発展された知識と専門的技術によって更に改良されています。 ベルギーの代表的な食品企業は高品質な製品として世界中に知られています。
ジャン・ガレーは子供の頃、両親が経営しているリエージュ近郊のパン・ケーキ店でチョコレートの魅力にとり付かれました。ガレーは知識の習得と新しい味の発見のためにパリのガストン・ルノートレの店で修行した後、21歳の若さで自ら店を開きます。現在100人を超えるチームはガレーのチョコレートのプラリネ、アイス、チョコレートケーキ、板チョコなどのデザイン、製造、販売を行っています。現在ギャラリー・ラファイエット・パリ、ハロッズ・ロンドン、伊勢丹・東京のような世界的有名店で販売されており、「ベルギー王室御用達職人」として認定されています。
ワロン地域食品産業クラスターは企業を集め、製品と技術のイノベーションを発展させ、製造業者間の協力による製造量と規模の拡大やネットワークの利益を増やすことにより、食品関連企業間の競争を促進し、業界のビジネスと雇用を発展させることを目標としています。
ワロン地域は科学的イノベーション研究における長い歴史があり、生命科学の世界的リーダーとなっています。ハイテク産業は重工業に取って代わり、バイオ部門が産業とリサーチにおいてワロン地域の代表となっています。バイオテック大手企業もワロン地域でビジネスを展開しています(例:グラクソ・スミスク・ライン、バクスターなど)。
それらの企業にとってワロン地域の魅力は何だったのでしょうか?
グラクソ・スミスクライン・バイオロジカルズは1945年にワロンに設立され、グラクソ・スミス・クライン社のワクチンに関する研究開発と製造を担当するセンターです。ブラバン・ワロン州に基地をもつGSKバイオロジカルズは1500人のベルギー人科学者を雇用し、全世界のために新しいワクチンの開発に従事しています。
バイオウィンはヒューマンヘルスに焦点を当てたクラスターです。バイオウィンの使命はヘルスケアにおけるバイオテクノロジー分野でのイノベーションと研修に従事する関係者の集約です。その目標は以下の通りです。
フランスにあるヨーロッパ橋はワロン地域の会社によって設計されました。
ワロン地域は産業革命の先駆者として鋼鉄、ガラス、化学材料を含めた機械工学の最先端を担いってきました。現在、機械工学は重工業、公共工事、自動車産業、家庭用電化製品、医療機器など、様々な分野で応用されています。
ナノシル社は2002年にナミュール大学とリエージュ大学のスピン‐オフとして設立され、ワロンの革新的な機械工学企業の代表的な例です。同社は10年もの間に、工業用カーボナノチューブの世界製造業者の位置を確立し、カーボナノチューブ(CNT)の実用化に焦点をあてています。CNTを新規材料や既存の材料と統合し、結果的に重合体、金属、複合材料、生体材料の性能の向上を果たしています。
CNT製品の応用はユーザーの期待をはるかに超えています。例えば、自動車産業、電気産業用の合成材料と設備を製造し、航空産業、建設産業、スポーツ産業、船舶産業においてはオーダーメイド・ソリューションを提供しています。
メカテクはベルギーの機械工学産業クラスターです。 メカテクのプロジェクトには4つの重要な軸があります。
ワロン地域は世界的気候変動と地域の新しい政治体制の結果として、新たに優先分野(競争的分野) を導入することにしました。それが環境です。
まだ発展中の段階ですが、この新しい分野は当然エコ建設などに焦点をあてるでしょう。
エコロジー建設のためのクラスターです。エコフレンドリーな建築促進のため、建設プロジェクトが環境に与える負荷の調査をします。さらに生物気候学的設計原理(bioclimatic principles)、再生可能エネルギー、エネルギー集約、エコ材料と自然材料の使用の促進も図ります。このクラスターは建築家、エコビルダー、製造者、エコ材料製造者、エコ電気技術者、再生可能エネルギーを扱う研究部署、企業、研究所、大学などのまとめ役になっています。